トラサビ列伝 トライジール

ども。池田@200Xです! 今日はトライアングル・サービスの業務用シューティング第2弾「トライジール」について紹介記事を書いてみました。トライアングル・サービスにとって「トライジール」は「シューティング ラブ。200X」にも収録されるほど、非常に重要な作品。知らない皆さんは要チェック!!

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【トライジール】
メディア:業務用基板NAOMI GD-ROM
  発売日:2004年9月
    価格:OP 168,000円
総販売元:タイトー
操作方法:8方向レバー+3ボタン
(A:ショット B:武器チェンジ C:ボンバー) 
※2P同時プレイ可能 

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【開発経緯】
藤野社長は「XIISTAG」発売後、タイトー社よりNAOMI基板をプラットフォームとした業務用シューティングゲーム製作の依頼を受け、これを承諾。トライアングル・サービスのシューティングゲーム第2弾は、ネクセス在籍時に自らがメインプログラム手掛け、後に中途半端な形でリリースされてしまった「某ストリーム」のシステムの完成形を目指し企画が練られた(プロジェクト名は「某ストリームパート2」)。サウンド製作として「XIISTAG」のコンポーザーである「NAOTO」氏、デザイナーには「GOWMER」氏に代わって、同人活動時代からの盟友「H.Toki」氏を向かえ、3人体制で開発がスタートする。

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【開発コンセプト】
「トライジール」のコンセプトは前述の「某ストリーム」の特徴であった「武器チェンジシステム」を採用した王道シューティングゲーム・・・つまり基板購入時に付属するPOP記載の「撃つべし!撃つべし!撃つべし!」というキャッチコピーどおり、「東亜プラン」「セイブ開発」製のシューティングゲームのような「小難しい知識や理屈を抜きに楽しめるシューティング」を目指して開発が進んだ。また今作は、3D表現に(当時としては)特化したNAOMI基板をプラットフォームとしているため、グラフィックに「3Dポリゴン」が採用された(なお藤野社長は3Dに関する技術研究をネクセス在籍以前より、熱心に進めていた)。また藤野社長によると「トライジール」は全3部作の壮大な物語となる予定とのこと。

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-基板を購入すると、このPOPが付いてきます-

【タイトル名あれこれ】
当作は開発当初、「CADENZAR 3(カデンツァ・スリー)」というタイトル名称だったのだが、ファーストロケテスト時の「タイトルが読めない!」というユーザーからの意見を反映させ、名称が「TRIZEAL(トライジール)」に変更された。余談だが、某大型掲示板のロケテスト報告「(タイトルは)『ダダダダード』って感じの六文字だった」という書き込みはあまりに有名。この書き込み後しばらくの間、web上で「トライジール」の通り名が「ダダダダード」なってしまっていた。

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-ロケテスト時のインストカード-

【開発中あれこれ】
藤野社長は「トライジール」開発中に身の回りで起こった様々な出来事をメモに取り、それら事象を「ネタ」としてゲーム中の隠しキャラクターや敵キャラデザインなどに反映させた。一部例をあげると、「オフィスのトイレが詰ったうん○水事件(=ステージ4の敵キャラデザイン)」「メキシコでのUFO目撃ニュース(=ステージ1の隠しキャラ)」「当時流行していたゲッツ!!(=隠しコマンド入力によるトライダインのポーズ)」などが挙げられる。藤野社長いわく、これら本筋と関係ないユーモア的要素をゲームに組み込む理由は2つあり、まず1つ目が「ゲーム開発中のLIVE感をゲーム内に残したい」、2つめが「イシターの復活におけるACローパーやハンブラビというネーミングセンスやボスコニアンの爆発パターンに隠れた刀(文字)など、昔のアーケードゲームに良く見られる開発者のお遊び的演出へのリスペクト」とのこと。こういったユーモア的演出及び「LIVE感」を重視した開発スタンスは、2009年現在、もはやトライアングル・サービス作品の確固たるオリジナリティとして定着している。また、当作から登場し、今ではすっかりおなじみとなった名キャッチコピー「シューティング ラブ。」も「トライジール」開発中に藤野社長がたまたま見つけた新聞TV欄の番組名、「プロレスLOVE」よりインスパイアされ、閃いたもの。

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【武器チェンジシステム】
「トライジール」最大の特徴は「某ストリーム」から引き継がれた「ショット」「レーザー」「ミサイル」という、それぞれ一長一短ある3つの武器をボタン1つで切替える「武器チェンジ」システムだ。面白いのは各装備ごとに、パワーアップの段階が個別に設定されており、パワーアップアイテムを取得していくごとに他装備の攻撃がサブウェポンとして同時発射できるようになること。このシステムには2つの利点があり、ひとつは「雷電シリーズ」などのアイテム回収による武器チェンジシステムを破棄した「武器切替えの簡素化」という点、もうひとつが「アイテム回収行為の簡素化」という、2点。反面、「ショット+ボンバー」(2ボタン)というシューティングゲームの王道ボタン配置に、もうひとつボタンを追加する(3ボタン)という行為は、かなりの英断でもあり、言ってしまえば「ゲーム内容簡素化」よりも「入力デバイス簡素化」を重視するMOSS駒澤社長やセイブ開発濱田社長ならばこの(ボタン数を増やす事で視覚的にゲームの印象が複雑化する可能性がある)選択は絶対にしないと思われる。当然、藤野社長もそんなことは承知の上だったに違いなく、今回も前作「XIISTAG」と同様に、あえて他メーカー作品とは逆の方向性を示したのだ。

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【ゲームインプレッション】
「トライジール」の基本はいたって単純、全6ステージの撃って避ける・・・まさにシューティングゲームの「王道」を突き進んだ内容。「道中~ボス」といった一連のステージ進行速度が速い「XIISTAG」とは異なり、当作は「旧雷電シリーズ」や「東亜プラン」作品のような、ゆるやかなテンポでゲームが進んでいく。代わりに、ステージ3の「巨大母艦トライレム戦」やステージ4の「艦隊戦~トーチカ地帯~隕石地帯での戦闘」、ステージ5の「鉄骨降下シーン」、ステージ6の「ライバルロボットとの一騎打ち」等、メカ好き男子諸君のツボをついたような戦闘シチュエーションが多数用意されおり、ステージごとの住み分けも、しっかり考慮されている。次に、気になるボーナス関連だが、当作のボーナスシステムの主軸は敵機破壊で出現する「勲章アイテム」(逃さず取り続けるとスコアが「10点から1000点」まで上昇)の回収と、ステージクリア時に算出される「敵破壊率ボーナス」となっている。「勲章アイテム」は落下スピードが速いため、回収に気をとられていると、逆に「敵破壊率」が疎かになる・・・というように、ボーナスに関しては、藤野社長の狙い通りのゲームバランスが実現しているといえるだろう。また、画面に「BREAK OUT」「SHOOT IT QUICKLY!!」と表示されたときに画面上の敵機を破壊できれば高得点獲得のチャンスとなり、更に成功いかんによって、一部ステージ内でルート分岐が発生する。「トライジール」はパッと見の印象は地味だが、「王道」と「キャラバンシューティング」的楽しさが同居した、遊び込むほどに「おもちゃ箱をひっくり返した」ような魅力が出るシューティングゲームだ。

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トライジール(ノーマル)サンプル動画

【トライジール真の魅力 -ダダダとレレレ-】
「トライジール」にも「XIISTAG」同様、プレイヤー側より発覚したテクニックが存在する。そのひとつが「レーザー」と「ミサイル」のショットレベルを5段階目でショットを撃ちながらBボタン(武器チェンジ)を連打し、異なった装備の攻撃(5段階目でのみ発射できる攻撃を)を同時に発射する「ダダダ撃ち」(命名:某大型掲示板の住民)。もうひとつが「レーザー」使用中に、Bボタンを連打して「レーザー」が「サブショット」に切り替わらない状態を維持する「レレレ撃ち」(命名:藤野社長)。これらのテクニックは、例えるなら「雷電シリーズ」で「赤:バルカン」と「青:レーザー」を同時に使用しているような状態であるため、非常に強力だ(それでいてゲームバランスは破綻していない)。若干コツがいるが、両テクニックはBボタン連打のみで実行可能なので、シューティングゲーム初心者にもお薦めだ。

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-3つの武器が同時に使える!?-

【ゲーム内ミニゲーム-リフティング-】
ステージ2に存在する「遺跡ロボ」が投げてくるブロックを自機でリフティングするように受け止め続けるとボーナス点が加算される(リフティング成功数に応じて10点~1000点までスコアが上昇)、本筋とはあまり関係のないゲーム内ミニゲームといえる。ルールは単純だが自機に当たって跳ね返るブロックの動きが曲者で、ブロックを落とすと非常に悔しく、無駄に熱くなってしまう。余談だが、藤野社長いわく「ギャプラスのボーナス面」っぽい要素を思いつきで実装してみたとのこと・・・しかしこの思いつきが、後に本格的にハイスコアを狙うプレイヤーにとっては地獄の苦しみとなってしまったようだ(ハイスコアを狙うにはステージ2ボスと戦闘しながらリフティングをし続けなければならないのだ)。また、2005年にリリースされた「ドリームキャスト版トライジール」には、リフティング部分だけを楽しめるスピンアウト作品「リフティング×3」が収録され、web上でランキング大会も開催された。

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 -リフティングを説明する漫画が作られました-

【XIISTAG機体がゲスト参加】
「トライジール」には「1P 2Pでの機体性能差/隠しキャラクター&隠しボーナス」等、様々な隠し要素が存在するが、中でも一番代表的なものは、コイン投入後タイトル画面でコマンド入力(→ ← ← Aボタン×12回)をすることで使用できる隠し機体「XIISTAG」だ。別タイトルの機体がゲスト参加するにあたり、選択時には通常プレイとは別の「ボタン配置」(A:ショット B:ボンバーバリア C:ショット連射)が用意され、武器チェンジが使用できない代わりに「ボムエネルギーシステム」(アイテム取得やボンバーバリアで敵弾を消すと数値が上昇し、100%になるとボンバーバリアのストックが増える)が追加される。もちろん、前作「XIISTAG」最大の特徴だった「サイドアタック」「バックファイアアタック」も使用可能で、スタート時にはBGMが「XIISTAG」楽曲に切り替わるという、心にくい演出も実装された。他にも「難易度」などのシステム部分が通常プレイ時とは完全に別調整が施され、まるで、別ゲームがもう1本収録されているかのような手の込みようだ。

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トライジール(隠し)サンプル動画

【市場評価等】
「XIISTAG」よりも余裕を持ったスケジュール(実質1年強)で製作された業務用版「トライジール」は、細部まで丁寧に作り込まれたシューティングゲームであったが、2004年当時、総販売元であるタイトー社の業務用機器販売のメインが次世代マザーボード「TYPE-X」にシフトしてしまったことや、発売時期がゲームセンター、アミューズメント施設の通信型サテライトゲーム隆盛のスタートとモロ被りしてしまったことなど、様々なマイナス要因が重なり、販売開始後、ロケーションへの出回りが壊滅的に悪く、首都圏ロケーション以外には全くといってよいほど売れなかった(業務用版を見たことがないというユーザーも多かったのではないだろうか)。この状態では当然開発費の回収はままならず、トライアングル・サービスは2作目にして正念場を迎えることとなる。しかし、藤野社長はこの時点で「ゲーム開発だけして、生きていける時代は終わった」と悟り、当時の状況を、後のメディア露出や販促企画実行の原動力にしており、事実、この半年後にリリースされる「ドリームキャスト版トライジール」は商業的に大成功を収めている。最後に補足、「トライジール」は出回りが悪かったものの国内唯一のアーケードゲーム情報誌「アルカディア」に発売以降4ヶ月間に渡り取り上げられ、気合の入った攻略記事や藤野社長のインタビューも掲載された。

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-ある意味で貴重な業務用トライジールのGD-ROM-

【補足情報】
・攻略サイト(UMCふなっこさん)

・攻略サイト(rydeenさん)

・攻略DVD

 ということで、業務用「トライジール」の紹介は以上です。「トライジール」は最新作Xbox360用ソフト「シューティング ラブ。200X」にて「トライジールREMIX」となって収録されます。プレイしたことが無い人は是非遊んでみてね!では、次回トラサビ列伝では「トライジール」の移植作品(DC版とPS2版)について紹介予定!お楽しみに!!

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